南八ヶ岳縦走(主峰・赤岳に挑む)

休憩後、行者小屋を後にします。色とりどりのテント場を過ぎると、再び山道へ。ルートは、赤岳を南側から巻いて登る文三郎尾根ルートを選択(この他、北側から登る地蔵岳ルートもあります)。
ほどなく、急登が始まります。いよいよ、赤岳頂上を目指します。

この日は休憩中にすれ違う人とはクマの話題で持ちきり。

「お気をつけて」

クマに会わないことをお祈りしています」

が、別れのあいさつの基本です(笑)

急登ではあるのですが、よく整備されており、金属製の階段がたくさん設置されています。山道よりは階段のほうが登りやすいと思う方がいらっしゃると思いますが、これは一長一短。一歩一歩、規則的に歩けるという点では、階段の存在は助かりますが、歩幅を強制的に階段に合わせなければならないという欠点も。逆に疲れてしまう場合もあるのです。一歩一歩確実に標高は稼げるし、自らの位置エネルギー(potential energy)が増していくのはわかるのですが、要注意です。

もっとも、私の場合、階段にはもう一つ、苦手な理由があります。
それは、

高所恐怖症ゆえ、階段直下を眺めると、目がくらむ」

という点です。

「高所恐怖症の奴が山に行くな!」

といわれそうですね。

私の場合、直線的な人工物強調されると、とたんに、

「高い! 怖い! 目が眩む!!」

となりがち。自然物しかなければ、よほどの崖であってもそんなには怖くないのですが。
で、この直線的な金属の階段はどうしても好きになれません。

「下りにこのルートを使わなくてよかった」

と心の底から思います。

さて、下を見たくはないのですが、背中側つまり、西側の空はたいへん開けていて、しかもよい天気。ちょっと振り返ってみますと…

北アルプス

がはっきりと見えます。行者小屋からでも、ちょっこりと、槍ヶ岳が見えていたのですが、ここまで登ってくると、北アルプスの山脈としての姿・全容をしっかりと捉えることができます。

でも、ちょっと下を見ると、目が眩む~

相当勇気を出して撮った一枚ですよ、この写真は(笑)

左側(北側)を見ると、左から硫黄岳横岳が見えます。横岳…本当に稜線がぎざぎざしていますね。

赤岳から横岳に続く道には、有名な赤岳展望荘が見えてきました。

途中でごいっしょになった年配のご夫婦は、今夜は展望荘に宿泊されるとおっしゃていました。標高2,800mに立地する山小屋ながら、なんと、風呂があるので有名です。確か、五右衛門風呂だったかな。それから、夕食がバイキングで、食べたいだけ食べられるのも、この山小屋の特徴です。しかし、なんといっても、この展望! 名前の通りすごい見晴らしですね。
もっとも、我が家はここには泊まらず、左へ左へ(横岳方面へ)移動し、硫黄岳山荘が今日のゴール地点です。

よせばいいのに、ちょっと、下にカメラを向けると…

行者小屋が小さくなりました。ああ、目が眩みます~

私が目が眩みながら、写真を撮っているのをよそに、おくさんはマイペースでどんどん登っていきます。ぜーぜーはーはーと完全に息が上がり、

「ああつらい。足がきつい~」

とずっとぼやいてはいるものの、ちゃんと登っていますね。

ようやく奥さんに追いつきます。バックは赤岳。北アルプス並といわれる岩稜がはっきりとうかがえる距離になってきました。

右側(南側)を見ると、二つの大きな山が眼前にそびえます。

左の小さいほうが中岳。右の背の高いのが阿弥陀岳。このまま登り続け、稜線に出ると、二股になっており、右に曲がると、この2座に登ることができます。たくさんの人が登っているのが肉眼で確認できます。
私たちはこのルートはとりませんが、赤岳付近の山小屋に泊まるなら、この2座は十分に往復できる距離ですね。

と言っているうちに稜線に到着。確かに標識がありますね。私たちは、赤岳方面に向かいます。

さあ、ここからは気合を入れないといけませんね。赤岳の名前の通り、赤い岩の連続。

「がんばってきましたね。でもここからがもっともっととんでもなく、きついですよ」

降りてきた男性に、ありがたくない一言を(笑)

でも、正しい情報ですね。鎖場と梯子の連続です。

展望できる山の名称を地図(地形図)や方位磁針などの使用によって明らかとすること。を、登山用語で山座同定といいます。
私は、山座同定の知識がないので、もしかしたら違っているかもしれませんが、南西方向に見えるのは、御嶽山でしょうかねえ。独立峰にして、あの高さですからねえ。

まだまだ岩場が続きます。

しかし、登山者を元気づけるこんなメッセージも(笑)

稜線から東方向を眺めてみましょう。清里方面です。葉が色づいていますね。

さらに右にカメラを振ると、富士山が見えます。

そのまた右は遠くに南アルプス…だと思います。特徴的な山容の甲斐駒ケ岳が見えるはずなんですが、どうもよくわかりません。手前は権現岳でしょうか。上級ルートですね。

「お先にどうぞ」

梯子の手前で、降りてくる方に道を譲ります。

どこかでお会いした男性だと思ったら、先程、クマの話でお別れした方たち。私たちよりも一足先に頂を踏まれたようです。

クマ、出ませんでしたね」

本当に出ていたら大変です。本当、冗談にできてよかったです。
お互いの無事を確認。笑顔で再び別れます。

さあ、あとひと踏ん張り

と思っていたら、

「あ、標識だ」

もう頂上でした。

いきなりの頂上。心の準備が…(笑)

赤岳はダブル・ピーク。数十メートルを隔てて頂上は2つに別れています。最初に私たちが着いたこっちが厳密には最高標高地点。祠があります。標高2,899m。2,900mには1m足りません。
頂上で垂直跳びをして、2,900mを味わう…という当初の計画は完全に忘れていました。

噂通りの眺望と絶景。ぐるりと360度の視界が開けています。

こちらのピークは狭くて、食事をとるのはちょっと無理。

そこで、今一方のピークに移動です。あちらのピークには、赤岳頂上山荘があります。展望荘と人気を二分する山小屋。ここも、展望は申し分ありませんね。

今日は、この山荘の脇で、ランチをとります。

頂上から眺めた北の方角。尾根道がずっと、横岳・硫黄岳へと続きます。眼下に見えるのが、先程下から眺めた赤岳展望荘。五右衛門風呂とバイキングで有名な山小屋です。

我々の今日の宿である硫黄岳山荘はまだまだ先。ぜんぜん、見えませんねえ。
旅は続きます。

<次回に続く>

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南八ヶ岳縦走(主峰・赤岳に挑む) への4件のフィードバック

  1. eleckman より:

    八ヶ岳登山お疲れ様でした。m(_ _)m
    足の具合は大丈夫でしたか?
    今日(21日)は外仕事だったのですが、雨で仕事にならず、早めに切り上げて、ブログ拝見させていただきました。
    文章がお上手だという事は、前に言わせて頂きましたが、写真が豊富で、見ていて楽しいです。

    いきなりなのですが、
    まこっちゃんさんは、普段、登山に備えて、トレーニングをしていらっしゃるのでしょうか?
    例えば、家の周辺をウォーキングするとか、ジョギングやジムを利用しているとか?
    何もせずにいきなり、「明日は八ヶ岳だ!がんばるぞ!!」みたいな事はないですよね。
    と、言うのも実は、我が嫁が唐突に、「富士山に登りたい!」と申しまして、
    装備等は、まこっちゃんさんのブログで確認する事が出来ますが、
    体力作りも必要だよなーと思いまして、お聞きした次第です。

    嫁の友人夫妻が何度か登頂したらしく、
    「人生観変わっちゃうよ~」の言葉に感化しちゃったらしく、
    登ってみようかな~なんて軽い気持ちで思っちゃったらしいんですよね。(こまった嫁です(汗))

    それと、写真に出ていた『ユニフレーム』のバーナー、私も持ってます。
    コンパクトなボディながら3900kcal/hのハイパワー(プレミアムガス使用時)で、
    我が家では主に、炒め物や湯沸しに利用しております。というのも、
    微調整が利かず、とろ火にしようとすると、フッと消えてしまうので、
    いつでもつまみは全開のままです。(爆)

    ということでこれからも楽しい記事に期待しております。(^o^)/

  2. こんばんは。
    コメントありがとうございます。
    つたない当ブログをいつも読んでくださり、本当に感謝です。

    八ヶ岳、行ってまいりました~ まだ登山記録は半分くらいしかかけていませんが(T_T)

    写真についてもお褒めいただきありがとうございます。もっとも、ちょっとサイズが大きすぎて、読みにくいのではないかと反省しています。今後は、もうちょっとサイズを落としてみます。
    ちなみに、今回の登山の写真は一眼レフをほとんど使っていません。終始Leica D-LUX4という2年ほど前に発売されたロングセラーのコンデジでRAW撮影(生データで撮影。圧縮されたデータであるJPEGで撮影しないと言う意味です)、自宅で現像し(パソコン上での処理です)、最終的にJPEGに変換したものです。デジイチの画像もあるのですが、まだ、こっちは現像していません。

    さて、奥様の山登り熱が高まっていらっしゃるとのこと。とても、すばらしいことだと思います。
    我々夫婦は、富士山は、①あまりにも登山者が多く、渋滞が日常化している点、と、②危険箇所がないのはよいのですが、ずっとだらだらと砂と石の中を登り続ける単調なルートである点、でどうも、しっくり来ず、今のところ、登頂の予定はありません。国内最高峰ですから、登頂すれば、達成感や充実感は並々ならむものがあると思うのですが、登山の過程(プロセス)の楽しい山を優先しています。

    登山の場合、総合的な難しさは、①必要な体力、②技術的な難易度の両面からはかるのが普通です。富士山は①はそこそこ必要だと思いますが、②はあまり必要ではないようです。
    ただし、富士山登山を否定しているわけではなく、初心者が最初に登る山としては、最近はメジャーになっているようですし、そのことはちゃんと認識しています。富士山に登ったのをきっかけに山が好きになる方も大勢いらっしゃいます。

    最初は2,000メートル以下の低山に日帰り・・・というところからスタートされてもいいと思います。谷川岳や那須岳(茶臼岳・朝日岳の総称)、浅間山の外輪山・黒斑山など、選択肢はけっこうあるかもしれません。

    痛風の気のある私は、有酸素運動が欠かせず、ジムにはチョコチョコ通っています。ですが、登山のための体力づくりというよりも、尿酸値を下げ、痛風になりにくい状態に体をもっていくのが目的ですので、山向けのトレーニングにはなっていないと思います。

  3. みさわ より:

    おはようございます!!
    赤岳登頂おめでとうございます(-´▽`-)
    まとめ読みでゴメンナサイ…

    クーガーのデビューもおめでとうございます♪
    人が背負っているのを見ても、やはりいい色ですねぇww
    背負い心地も良好だったようでよかったですね(-´▽`-)

    赤岳は僕も9月の半ばに行きました。
    南沢から登り、地蔵尾根、山頂、阿弥陀岳と歩いてきました。
    まぁ暴風雨吹き荒ぶ最低の天候で、なーんも見えなかったんですけどねww
    まこっちゃんさんの行った日は雲は出ていたようですが、山の展望は利いてよかったですね!
    今週末天気がいいようなのでリベンジしようかな…

    また続き楽しみにしております(*´∀`*)

    • こんにちは。
      コメント、ありがとうございます。

      みさわさんのブログのおかげで、よいザックを手に入れることができました。
      いいですね~ デビューさせてみて、改めて実感です。

      阿弥陀方面、次回行ってみたいですねえ。今回は逆方面になってしまったのですが、とても見晴らしがよさそうです。
      山は天気に左右されますね。私は、今年の夏は、①日光白根、②北岳、③南八ヶ岳と合計7日間くらい山にいたんですが、まったく降られませんでした。星も良く見えましたし、とてもラッキーな夏でした。

      昨年までは本当に、星見準備するたびに、降られ、泣きの涙でした。

      お体はいかがですか? どうぞ、ご自愛くださいね。

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