今夜も同窓会②(文化祭・初日)

「入場者が10,000人を下回ったら、全員坊主」

実しやかに囁かれていたこのルールは本当だったのでしょうか。
うちの高校の文化祭は、地域の一大イベントで、生徒たちもかなり真面目にプロモーションに参加します。
できるだけ、多くの友人・知人を招待し、入場者増加・目標達成に務めるのです。

いよいよ土日2日間にまたがる文化祭のスタートです。

初日午前。
まあ、客足はぱっとしません。
まだ土曜日は授業があった頃ですから、他校生は全然来ません。目当ての女子高生も全然来ません。不安がよぎりつつも、近所のガキども相手に、

「いいバッチだろう? このメッツガラナの赤いバッジはなかなか手に入らないんだ」

とアプローチを試みます。
キリン・メッツのガラナは当時新製品。校内のゴミ箱のどこを探してもなかなか見つかるものではありません。

「貴重品」
「稀少価値のある品」

であることは、あながち嘘ではないのです。

「おれ、コレ欲しい」
「毎度あり」

小学生のガキどもと交渉成立のたびに、売上は僅かずつですが増えていきます。

初日午後。
土曜日ですから、付近の学校も半ドン(死後だね)です。
午後からは、女子高生も大挙してやってくるはずです。

ところが。

そうでもないのです。晴天に恵まれながら、どうも、土曜日は客足が伸びません。
不安がよぎります。

「赤字??」

大丈夫でしょうか。

ここで、我々は、頭をひねり、知恵を絞って、マーチャンダイジング(商品政策)とプロモーション(販売促進政策)の両面にテコ入れを行います。

マーチャンダイジング面では、

「高級品」

の投入です。
うちのメンバー7人のうち、一人は美術の達人。芸大に進み、現在も美大で講師をやっているN君の画力を頼み、

「◯◯校際記念バッジ」

なる絵柄を描いてもらいました。
これが傑作。あとで、写真をアップします。
生徒会の許可もなんにもとっていませんが、とにかく、

「◯◯校際記念バッジ」

の絵柄が完成しました。

「上出来だ。すばらしい」

他の6人も納得のいく作品です。

「で。どうやって、明日までにバッジにしようか」

今更、家内制手工業で徹夜でバッジにするわけにもいきません。

「長崎屋に絵柄を持って行くとバッジにしてくれる店があるよ」
「そこに持ち込もう」

絵柄を大量にコピーし、高校の近くの今ななき長崎屋に持ち込みます。
今でいう、アウトソーシング、外注です。
工場を持たない製造業…そうです、ファブレス企業というやつですね。

「加工賃は1個100円だよ。それでもいいかい」

高! っと思いましたが、背に腹は代えられません。

「お願いします」
「何個、作るんだい?」
「とりあえず、100個!」

1万円を支払い、大量に生産される

「◯◯高祭 記念バッジ」

バッジというよりも、パチもんですな。いやあ、おはずかしい。

「はい。できたよ」

バッジ100個。
いわゆる初回ロット品の完成です。

「ありがとうございます」

店の人からバッジを受け取り、一目散で学校に戻ります。

「さあさあ、お立会い。今から、今日明日限定の記念バッジを販売します。興味と暇のある人は、寄ってらっしゃいみてらっしゃい」

後半戦の巻き返しがスタートします。

売れ行きはいかに。

次回に続きます。

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